115 IoT AIを活用した品質改善(解説12)
㈱技術情報協会から書籍「工場・製造プロセスのIoT・AI導入と活用の仕方」が出版されました。その中の「プロセス系工場でのIoT/AIを活用した品質改善への取り組み」について執筆しましたので、数回に分けて解説したいと思います。今回は12回目です。
<抜粋:異常予兆の検知におけるIoT/AI活用技術の課題2>
AI技術を活用したデータ分析:データ分析でより良い結果を得るためには目的に合った質の良いデータが必須となるが、これを検証するには今のところ、試しにデータ分析をやってみる以外に方法は見当たらない。これらのデータ分析は、このデータの発見を効率的に行うことが求められる。その手段として、ものづくりの現場にいる人がノウハウや直感で見つけたデータの質が良いかどうかを、AI技術を用いて確認する仮説検証型アプローチが得策である。実際、品質改善で成功している多くの企業はこのアプローチを採用している。また、これまでのデータ分析は、多大な時間と費用がかかっていた。原因はデータサイエンティストがデータの中身や使われ方、あるいは加工の仕方を理解するにあたって、ものづくりの現場にいる人に何度もヒアリングを行う必要があったからである。言い換えれば、現場のエンジニアが簡単にデータ分析できるツールが必要とされている。COLMINAデータ分析ナビゲーションは、この課題を解決する手段の1つとして開発したツールである。
<解説>
製造業の中にAI技術を導入して品質改善のサイクルを作るためには、ものづくり現場の知見とデータサイエンティストのスキルが必要になります。同書籍に掲載されている「製造業におけるIoTからAIに繋げる為の技術者教育と組織の作り方:住友金属鉱山㈱佐藤健司」でも下記の通り言及しています。
MES(製造実行システム)へ向けた全体最適制御のためにAIを活用しようとする機運の中で、機械学習によるデータ解析は成果を上げつつある。一方で、ディープ・ラーニングの様な予測結果が出るに至る法則が見えない技術は、製造業で要求される精度に至らない場合や間違いが見つかった後の修正が困難であることもあり応用例が限られる。
製造業において機械学習技術によるデータ解析を行い、定常的に予測式を見直し、製造にフィードバックさせようといたとき、この実現には複数種類の技術者らによる共同作業が必要である。これら複数種類の技術者が既に整っている状況はまれであり、技術者を確保したり育成したりするところから始めなければならない場合が多いであろう。(以上抜粋)
AIと機械学習とディープ・ラーニングの関係は、AIの中に機械学習が存在し、機械学習の中にディープ・ラーニングが存在します。今回、COLMINAデータ分析ナビゲーションで機械学習の統計手法の1つランダムフォレストを使用しています。
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