079経営デザインシート(その2)


 本ブログ№045で経営デザインシートの概要について紹介しました。ここでは経営デザインシートをすでに活用している企業からの意見と、企業支援者から寄せられた意見についてまとめた記事がありましたので紹介します。また、プリント板実装事業を例にとって、シートを作成してみました。

 経営デザインシートとは、環境変化に耐え抜き、持続的に成長するために、自社や事業の存続意義を意識した上で、「これまで」を把握し、長期的な視点で「これから」のありたい姿を構想します。それに向けて今から何をすべきかの戦略を策定します。といった経営の長期戦略をA3のシートにまとめるツールです。すでに多くの企業が採用しています。下記の通り知的財産戦略推進事務所が本シートについて寄せられた意見をまとめています。

<企業から寄せられた意見>

 補助ツールとして:書けない部分があり、自社が考えるべき・明確化すべき部分に気づいた/これまでの事業を整理し、自社の強みを明確化・再認識することができた/言語化することで。頭の整理ができ、将来像が明確化できた/新事業の構想・実現にあたって、各人の意見やアイデアを整理することに役立つ/日々の業務に取り組むとき、部門の目標を考えるとき等、立ち戻って考える拠り所ができた/経営マインドを醸成するのに感が得られるため、人材し育成に活用していきたい

 対話のツールとして:関係者(社員、金融機関、協業者、支援者等)と目指す方向が共有できた/シートが1枚で完結しているので、社内外に説明しやすいので、事業承継において焦点を絞って議論できた/社外から新鮮な意見が得られて、自社の強みや課題・将来像が明確になった。

<企業支援者から寄せられた意見>

 企業の事業を深く理解することに役立った/企業と一緒に課題や将来について考えることができた/対話の共通基盤となり、議論が深まった。

 以上です。続いて本シートの流れで、プリント板実装事業の場合を記載してみました。

<キャッチフレーズ>:DXによる次世代のものづくり革新

<これまでどうだった?>

・資源…(人)生産製造、製造、情報システムエンジニア (物)SMT設備 (金)売上の1%

・ビジネスモデル…原材料を購入、製造(加工、組立、検査)、配送

・提供価値…(顧客)自動車 電気業界 (提供物)各業界の基幹部品であるPCBユニット

・課題…品質の安定化による仕損低減 不良原因の明確化 リスク回避のシステム構築

<20××年にはこうしたい!>

・外部環境…多品種変量生産の益々要求 IOT、AIの波が急速に寄せてくる

・提供価値…従来の顧客、製品に対し多品種変量対応と環境に左右されない安定供給

・ビジネスモデル…データ分析の予知、予測をベースにした購入、製造、配送

・資源…従来+(人)データサイエンティスト (物)IOT、AIシステム (金)要検討

<20××年に向けて今からどうするか>

・予知、予測精度を高めるため、データの品質を向上させるPDCAをスタートする。

ご相談は本ブログ№60シマムラ技術士事務所まで。

SHIMAMURA ENGINEERING OFFICE

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