071ラインカンパニー制
最終製品に作り込む組立系の製造現場では、顧客の要求に基づいてムダなく製品を供給するため、多品種変量生産システムの構築が必要となります。
<多品種への対応>
マニュアルラインの場合、作業者が多品種の組立ができるように、あらかじめトレーニングしておくことで、同一製造ライン上に品種の違った製品が流れても対応できます。重要なのが、作業が標準化されているか、ポカヨケに仕組みがあるかなど、一定の時間内に間違いなく組立ができる仕掛けが作られているかです。また、部品の供給が品種の違いに合わせてタイミングよく供給できる仕掛けも必要です。
<変量への対応>
携帯電話のようにボーナス商戦期のあるプロダクトの場合、繁忙期と閑散期の生産量の差が5~6倍になることがあります。マニュアルラインの場合、作業者数をコントロールすることが必要となります。この場合通常はラインカンパニー制といった仕組みを適用します。
これは閑散期に製造ライン1本を正社員のみで構築します。以降、生産量が増えた分だけライン数を増加しますが、この場合外注にお願いします。具体的には正社員と同じハードウェア(作業台、部品棚、コンベア、治工具など)と作業スペースをライン単位で提供し、そこに必要な作業を外注にお願いします。生産量の増加に伴い、外注先の会社も1社だけでなく数社がそれぞれのラインを受け持ちます(ライン運用の裁量性もあり)。同じ工場内で外注会社間の競争(QCD)となります。その点でもラインカンパニー制は興味深い仕組みです。
外注との契約は繁忙期前後の3か月間くらいで、年2回の繁忙期で合計6か月間の契約になると思います。正社員の工賃の半分程度なので、コスト削減といった点でも大きかったと思います。
以上のラインカンパニー制によるものづくりは、携帯電話をはじめとする同様なプロダクトを製造している大手企業でも採用しているため、繁忙期の外注の確保が課題となります。したがって、製造の流れとしては自然と自動化へと向き、多品種変量生産に対応した柔軟な設備の開発へとつながります。本ブログ043多機能組立システムがその1つです。具体的な内容に関しては、本ブログ060シマムラ技術士事務所へお問い合わせください。
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