039工場見学(その1)
生産技術の仕事をしていると、自然といろいろな工場を見学する機会が増えます。パソコン、携帯、小型プリンタ、大型プリンタ、半導体前工程・後工程、ハードディスクドライブ、プリント基板、プリント板ユニット。乾電池、焼結部品、銅帯鋼、センサーモジュール、スプレー、医療機器、大型コンピューター、自動車、カーオーディオ、セメント等々。工場は、プロセス系の工場か組立系の工場に大別できる。共通に言えることは工場運営に当たりQCDES(Quality Cost Delivery Energy Safety )が普遍のテーマであることです。その工場を見学する時の視点は3つありました。IE視点、自動化設備視点、データ活用視点です。
IE視点では、中間の仕掛はどのくらいか、オペレータが待ちの状態になっていないか、設備の待ちはないか、タクトタイムはどのくらいか、(余談ですが、タクトタイム1分で1か月の生産量は1万台という数値を頭に入れておくと便利です。工場のラインの1つの工程を見てタクトタイムを腕時計で測定してみます。1分であれば1ライン1直で月1万台。 30秒であれば2万台。さらに2直であれば4万台。さらにラインが4本あれば16万台といった具合に簡単に計算ができます) 1ライン当たり何人の作業者がいるか。人数が分かれば、その組立ラインで発生する工数をざっと計算できます。
自動化の視点で興味があるのが、工場内の機械設備の稼働率です。稼働していない設備の割合、または、人でもできる作業をやっている設備はないか。設備でないとできない作業は何か。何のための設備か。QCDESのどれを目的に稼働させているのか。計測類のデータ収集は自動化されているか。マニュアル入力か。フォーマットは統一されているか
データ活用の視点では、壁に掲示されている表、グラフからどのような品質管理をやっているのかを見ることができます。バーコードの活用方法の仕方はどうか。設備稼働管理、製造の進捗管理をどのように取り組んでいるか。いろいろと見るポイントがあります。
一方、工場を見せる側の立場からは、せっかく工場を説明しながら見せたのだから、見た感想、意見、提案が欲しいとなります。グループ会社のどこそこでは、こういった工夫をしていたなど、実績がある提案であればなおさらありがたいと思います。工場見学は技術者の勉強のためではなく、見学した工場を如何によくしようといった、積極的なアドバイスを提案する場です。
現状を見て、課題を抽出し、効果を算出し、原因の仮設を立て、ソリューションを提案できることは将来コンサルを目指す人にとっては必須となります。
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