486国際ロボット展(サイバーとフィジカル)
将来のスマートファクトリーを語る際にはサイバーとフィジカル(本稿ではバーチャルとリアルと表現している)の連携が重要となってきます。バーチャル化を進めるためには3Ð化が必須となります。ここでは3Ð化の現状と課題と今後の取り組みについて、同展で提案されている「協働ロボット」をソリューションの1つとして記載します。
製品設計、生産準備、製造ラインのエンジニアリングチェーン部門では3Ð化が着実に進んできています。製品設計部門においては3Dのモックアップを使って量産型を起こす前に有限要素による構造解析や干渉チェックができるようになりました。
生産準備部門においては製品設計で作成された製品の3Dモックアップを使って、製造設備をこれまた3Dで設計し、そこで生成された設備の3Dモックアップを使って、シミュレータで設備動作をプログラミングできるようになりました。
また、製造部門では製品と設備の3Dモックアップを使ってライン設計をこれまた3Dで行い、実際の物ができる前にバーチャルでものづくりができるようになりました。この時点ですべてのデバッグが完了していれば、後はリアルへ転写するだけです。短期立上げ、変種変量への迅速対応が可能となります。
さらにリアルで発生した改善内容をバーチャルへフィードバックすることも可能となり、常にバーチャルとリアルの2つをコントロールして環境変化に強いものづくりができるようになります。ただ残念ながらこのシステムは、非常に限られた条件の下(誤差やノイズのない環境の下)でないと成り立ちません。
中小企業においては前述したとおり、既存の古い設備が設置されている環境へ新規設備をビルドアップする必要があり、誰がその環境をどのくらいのコストかけて3Ð化をするのか、といった課題が発生します。そのため、ロボットシミュレータによるロボットティーチングもなかなか浸透しない状況にあります。
0コメント