485国際ロボット展(ライン構築の課題)
実際の現場にラインを構築する際の課題を2つ挙げると、1つには異なったメーカーのロボット、設備を混在させながらラインを構築する必要がある点。2つには古い設備を活用しながら、また古い設備と情報連携しながらラインを構築する必要がある点です。ものづくりの現場は基本的にはコストセンターであり、いかにコストを削減するかにかかっています。ロボットシステムを導入して大幅なコスト削減を図りたいが、投資する資金を十分調達できないといった現実があります。したがって、特に中小企業においては、既存設備のビルドアップやラインのシステムアップが基本となります。
異なったメーカーのロボット、設備を混在させるために日本ロボット工業会が推進しているORiNといったミドルウェアや、情報処理では三菱電機のエッジクロスなどの活用がソリューションとなります。それぞれ本展示会においても出展され、関心の高さを見て取ることができました。
また古い設備の場合、外部との連携が弱い点が挙げられます。具体的には機械の状態、製造状態などがその設備のディスプレイやアナログメータに表示はされているものの、単に作業者の監視用となっているだけのものが多いといった点です。展示会場のSIerゾーンの一角に設備のディスプレイやアナログメータをカメラで撮像し、デジタルデータへ変換するソフトウェアを提供する企業のブースがありました。いわゆるレトロフィット技術であり、ソリューションの1つであると思います。
中小企業にとってラインの構築、設備のシステムアップに際し、最も期待しているのがSIerです。今回の展示会においても数多くのSIerが出展しており、事実、異なったメーカーのロボットによる組立ラインのデモンストレーションを見ることができました。ただ、前述の通りORiNといったミドルウェアや、エッジクロス等による情報処理といったことも熟知した上でシステムアップすることが必要となり、今後SIerへの期待はさらに高まることは確実です。
0コメント