482国際ロボット展(協働ロボット状況)
大手ロボット各社のブースでは協働ロボットによる展示を多くみることができました。安全性、ダイレクトティーチングといった共通的な特徴のほか差別化を図るための、展示説明やデモンストレーションに各社力を入れていました。
FANUCではブースの前面に協働ロボットのラインナップを展示し、その機能と性能に関して詳しい説明を聞くことができました。協働ロボットの最大の特徴はロボット自身が外力を検出する機能を装備している点です。この機能により安全性、ダイレクトティーチングが可能となるわけですが、説明によるとこの機能を力センサーのアプリケーションの1つ例えば、一定の圧力で行う自動車ボディへのバフ作業へ活用することも可能であるということです。従来の産業用ロボットではアーム先端に力センサーを取り付けなければできなかった作業が協働ロボットではその必要がなくなります。さらに、協働ロボットに3Dカメラを搭載してダイレクトティーチング作業でロボット周辺環境のデータを収集し、そのデータを使って干渉することなく動作させるデモンストレーションも興味深いものでした。これに関しては後述のサイバー・フィジカルの章で追記します。ロボットユーザーにとって関心ごとの一つであるハンド・ツールのプラグインは大手周辺機器メーカー各社との提携があり、今後の展開も期待できるといった説明でした。
YAMAHAでは参考出展ながら搬送台車の上に搭載した7自由度の協働ロボットによるワークのロード・アンロードのデモンストレーションを行っていました。YAMAHA以外においても搬送台車の上に6自由度の協働ロボットを搭載したタイプを見ることができましたが、搬送先の環境によっては干渉を回避できないといったケースが発生します。7自由度であればロボットの姿勢を変えることで干渉回避することが可能となります。搬送台車にロボットを搭載して自由度を拡大しても肝心の実作業ができなければ意味がありません。これがよく理解できるデモンストレーションでした。
協働ロボットの先駆者のユニバーサルロボットでは、ロボット自身のデモンストレーションだけではなく400社を超えるプラグインの周辺機器メーカーのアプリケーションの中から例を挙げて展示していました。既に、ヨーロッパの自動車関連工場で使用されているロボットへの衝撃を軽減するパルス駆動によるESTICS製のナットランナーのほか、バリ取り、吸着ハンドによる梱包箱の積層や2腕によるワーク把持とネジ締めなど多彩な作業を見ることができました。 ロボットユーザーにとってアプリケーションの充実は大きな魅力となります。
三菱電機、安川電機など他の大手ロボットメーカーにおいても、協働ロボットの機能や性能を前面に出したというよりは具体的なソリューションの展示会といた印象でした。
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