449自動化構想設計(ロボット)

 ここからは設備要素について考えてみます。最初はベースマシンです。ここで言うベースマシンとは、ロボットメーカーから提供されている汎用ロボットを指します。直交ロボット、SCARA水平多関節ロボット、垂直多関節ロボット、パラレルリンクロボットについて特徴と選択のポイントについて考えます。

 1つ目は直交ロボットの中でも製造現場でよく見かける ワーク移動1軸 ツール移動2軸の3軸タイプのものです。各軸はベルト駆動やボールネジ駆動による直動アクチュエータです。通常回転機構がないタイプが多く、ツールとしては回転機能を必要としない塗布ディスペンサやネジ締めドライバが搭載されます

 2つ目は一般的にSCARAと呼ばれている水平多関節ロボットです。水平面内の回転3軸と垂直直動アクチュエータ1軸の4軸で構成されています。いわゆる屏風構造ということで、水平面内は柔軟性(コンプライアンス)に富み、一方垂直方向の剛性が高いのが特徴です。平面実装、組立に向いています。設置面積も直交と比較すると小さいため 設備内のレイアウトの自由度を高くなります。

 3つ目は垂直多関節ロボットと呼ばれるもので、空間で任意の位置、姿勢をとることが出来る6自由度ロボットです。ロボット先端に向かって、回転、揺動、揺動、回転、揺動、回転の6軸の関節で構成されています。任意の姿勢での移動、位置決めができるため、溶接、塗装などの分野では幅広く活用されているタイプです。一方、シリーズ(直列)に関節が取り付けられているため、位置決め精度、速度に限度があります。

 4つ目はパラレルリンク型ロボットです。図はFanuc製のゲンコツロボットのモデルです。XYZの移動と位置決めを行うのが 3本でパラレルに構成されているリンク機構です。先端の3軸はシリーズ構成姿勢をつかさどる機構です。計6軸で垂直多関節ロボットと同様6自由度ロボットです。パラレルリンクを使うことで、垂直多関節ロボットの弱点であった精度、速度が大幅に改善されています。一方、設置の自由度に制約があります。後程第3章で実施例を解説いたします。

以上、ベースマシンについて解説いたしましたが、作業に必要な自由度、精度に合わせてロボットを選択します。

SHIMAMURA ENGINEERING OFFICE

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