439自動化構想設計(製品設計)

 続いて自動化しやすい製品設計について考えてみます。ここではハードディスクドライブ(HDD)のバランス修正設備での取り組みを例に解説します(ブログ№225)。対象はHDD媒体の回転バランスを修正する設備です。

 積層された数枚の円板を回転させて、回転のアンバランス量と位相を計測します。アンバランス量をキャンセルするように180°反対のポジションにアンバランス量に相当するカウンタウェイトを取り付けます。従来はこのカウンタウェイトをUV接着剤で固定していました。カウンタウェイトの裏面には両面接着テープが貼り付けられており、その保護テープをはがし、HDD媒体を固定しているハブの外周に仮固定します。続いて、UV接着剤を3か所塗布し、UV照射して本硬化(固定)します。これらの複合工程の自動化は開発、保守、管理の面で多くの時間とコストがかかります。製品設計の検討で、図の様にカウンタウェイトをCワイヤに変更 パッチン留めに変更することに成功しシンプルな自動化が実現しました。

 製品設計部門と連携し、自動化の視点で組立しやすい製品を設計することは、自動化の第一歩です。ただし、このようなアイデアが常に出ることはなかなかありません。次頁以降で 製品設計者が自動化を意識した設計をする際のポイントを考えてみます。

SHIMAMURA ENGINEERING OFFICE

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