369 Industrie4.0(Plug & Produce)

 ドイツ標準化ロードマップ Industrie 4.0 Version 4解説書がIEC/SyC SM国内委員会から発行されました。「本標準化ロードマップはDIN/DKEおよびドイツ国内の標準化の取り組みを内外にアピール、プロモートする媒体としての役割も担っているが、産業用のIoT活用という視点でドイツ国内や欧州に閉じたものでなく、広く世界に理解と協力を呼び掛けた内容になっている。」と説明されています。この解説書の中に次のような記載があります。

コラム1. USB Standard for Industrie 4.0

 一連のドイツ標準化関連文書でよく登場する表現である。「Plug & Produce」と表現されることもある。PCにおけるUSBのように、着脱すればシステムがそれを自動認識し、全体で整合を取って動作する。この姿をものづくりの一連のバリューネットワークの中でも実現しよう、という表現である。

 例えば、生産ラインに於いて設備を交換する際、設備の処理能力をアップグレードする際など、何らかの変化をシステムが自動でとらえ、関連システムが自動的に調整していく、ということである。言葉で書くのは簡単だが、実際にできるのだろうか?現在の自分たちのプロセス、オペレーションをひとつずつ追ってみて、体系化、形式化されていないアクションはないだろうか?ドイツではこれらと愚直に向き合い、考える作業を繰り返し行っているように感じる。

 以上 解説書より

 ロボットを中心とした自動組立設備やこれらをライン化した自動組立ラインの開発を数多く手がけてきました。制御するに当り基本的な考え方があります。基本的な組立動作(ピックアンドプレース)を行うロボットの制御はメインプログラムで行います。部品供給機や測定機構などの周辺機の制御はそれぞれのサブルーチンプログラムで行います。メインプログラムとサブルーチンプログラム間のやり取りは、レディー、ビジー、エラーの3つの信号で行われます。

 以前は、どんな周辺機がどこに設置されているかを事前にロボットアームのメインプログラムに書き込む必要がありました。たとえばネジの供給機の場合は、Aポジションにあり、ビジー信号が出ていたらロボットアームは待ちになり、レディー信号が出たらネジを取りに行く。といった具合です。多品種少量生産が進むにつれて段取り替えを頻繁に行う必要が出てきます。汎用性が高い設備やシステムが求められます。

 上記のコラムにある様に、「Plug & Produce」の考え方が重要となります。ロボットアームを使った設備の場合には、「Plug & Produce」の機能は比較的に簡単に実現できます。最近のロボットには視覚認識機能が搭載されており、周辺機の位置、状態を認識することが出来ます。各周辺機にはエラーを表す赤いランプ1つと、どんな周辺機であるかを表すバーコードさえあればロボットアームは自動でその周辺機とその状態を認識できます。

 USBによる自動認識と併せて、ロボットの視覚認識による「Plug & Produce」の検討する必要があると思います。

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