352多品種変量生産
全社のものづくりを統括する部門で、グループの全製造拠点を対象にTPS改善活動を展開した経験があります。用語の定義を共通化し、整理、整頓、清掃など5S活動から徐々にムリ、ムダ、ムラの排除、ジャストインタイム、自働化、と展開してきました。改善活動のモチベーションを上げさせるため、各拠点のトップに月1回全国から集まってもらい、その活動の進捗発表会を実施していました。共通のKPIである在庫量や、製造のリードタイムについて報告をしてもらい、どうやって目標を達成したのか、どうして目標を達成できなかったかを、トップ同士が議論する場でもありました。拠点ごとに、プロダクトの内容は違えども、共通の指標に沿って競争しながら、改善活動を進めることで、全拠点のレベルが短期間に向上したのは事実です。
自動化は、多品種変量生産について取り組んできました。専用設備からロボットを使った汎用設備へと舵を切ってきました。以前ブログで紹介した多機能組立システムが、多品種にも変量にも対応する仕掛けについて下記に記載します。
多品種生産への対応…加工を対象としたCNCマシニングセンターが、自動的に専用の刃物(ツール)を交換するように、多機能組立システムは、組立を対象として自動的に専用のハンド(チャック、プローブ、ディスペンサなど)を交換することができます。なんでも掴める汎用ハンドは、組立品質といった面でみると、大きく劣ります。個々の組立部品、組立作業にベストフィットした専用ハンドを使用する必要があります。ロボット本体は汎用であっても、ハンドは専用でなければいけません。したがって、ハンド自動交換の仕組み(ツールチェンジャーは必須アイテムとなります)
変量生産への対応…人が短期間に大量にものを作る場合、組立の工程を細かく分割して、1人当りの組立品種を減らして、人の数を増やします。逆に少量生産の場合、工程を集約して1人当りの組立品種を増やして、人の数を減らします。多機能組立システムの場合も同様に、大量生産の場合は組立品種を減らし、サイクルタイムを短くします。少量生産の場合は組立品種を増やし、サイクルタイムを長くします。(いずれにしても、これを実現するためにはツールチェンジャーが必須となります。)この考えは、人とロボットの混成ラインにおいても、対応が可能となります。
最近、IOT、AIといった技術が、ものづくりのフィールドに導入される動きがあります。製造工程の管理データ(温度、圧力、電流など)を活用することで、設備の故障や工程内歩留まりの予測などに期待がかけられています。これを進めるに当り、ものづくりの専門家とデータ分析の専門家が必要となります。さらに両専門家の間に入り連携を取り持つコンサルタントも重要となります。コンサルタント会社へ依頼してはどうでしょうか。
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