297 DA Navi
日経XTECHの2019年1月号に「富士通がひっそり出した新ソフト、注目すべき理由」といった見出しの記事がありました。下記は抜粋です。
富士通の新しい取り組みを象徴する製品が登場した。同社が2019年1月21日に販売を開始した、製造業向けのデータ分析ソフト「ODMAデータ分析ナビゲーション for ものづくり(DA Navi)」だ。
DA Naviは工場設備の故障予知と、製品の品質予測という2つの機能に特化したデータ分析ソフト。生産現場の担当者であっても、プロのデータサイエンティストと同じ手順で分析できるようにしたことが特徴だ。2種類の分析に機能を絞ったことで、集めるべきデータの種類や不足データの補完手法、使用する分析手法などを限定できたため、専門家と同等の分析結果を出せるという。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/01581/?SS=imgview&FD=46728356
〜中略~DA Naviを開発したのはデジタルソリューション事業本部。人工知能(AI)やIoT(インターネット・オブ・シングズ)などの最新技術を活用して、新しいソフトやサービスを作り出すための部門である。富士通のデジタルビジネスを担う「デジタルソリューションサービスビジネスグループ」の中にある事業本部で、既存ビジネスにとらわれない製品開発が求められている。
こうした背景のもと、DA Naviの開発プロセスには、デザイン思考やリーンスタートアップの考え方を取り入れている。製造業の既存顧客の工場に行き、現場担当者の仕事の仕方を観察したり、ヒアリングしたりすることで、潜在的な課題を発見。その課題を解決するソフトのプロトタイプを作った。プロトタイプを複数のユーザーに開示して改良すべきポイントをさらに聞き出し、それらを反映して製品化した。
「複数の製造業の生産現場で担当者に話を聞き、簡単に操作できるツールがあるならば自分でデータ分析をしたいという潜在的な需要が分かった。それを満たす製品を作れば新しい市場を作り出せると確信し、製品を開発することにした」。開発チームを主導した大山広行デジタルソリューション事業本部イノベーティブソリューション事業部IoT/AIソリューション部部長はこう言う。~以下略~
以上 日経XTECHの2019年1月号記事より抜粋
以前、IoT/AI活用のフィージビリティースタディーを行ったことがあります。対象はプリント基板製造の品質改善でした。工場が抱えていた問題は、日々の品質管理をしっかりやっているにも関わらず、年に数回大きな品質問題が起きているといった内容でした。
ものづくりエンジニアがデータサイエンティストの手をほとんど借りることなく数万のデータを取り扱って、製造品質の異常予兆の検知に取り組みました。データ活用の流れは、データ診断、収集、統合、分析、運用といった手順で行いました。 この流れの中の分析においてDA Naviを活用しました。
データ分析では統合(紐付け)された過去データを学習させ異常予兆の予測モデルを作成します。このモデルに製造中の各工程の状態をインプットして加工結果を予想します。データ分析の経験がないIE技術者が、2日間ほど、データ分析の基礎教育とDA Naviの操作方法のトレーニングをうけるだけで、実践に入ることができました。データの期間、数量、項目数などを自由に設定して、1~2時間程度で予測モデルを作成することができました。
F社の宣伝文句である「データ分析経験の少ないものづくりの現場の人自身が、設備稼働率の向上や製品歩留りの改善のためのデータ分析を実施でき、さらにものづくりに有益な知見を得られます。」といったツールです。
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