272日本技術士会(その3)

 先日、日本技術士会の機械部会で講演を聴きました。「コロナ禍に打ち勝つ技術コンサルタント活動」といったテーマで、「なぜ機会創出ができたか」「技術士に求められる企業への提案」などついての講演でした。

 「なぜ機会創出ができたか」これはWeb会議を併用することで、対応できるクライアントが増えるといった内容でした。訪問形式で対応できるクライアントは月2回の訪問の場合、6社程度が限界だとのことです。特に地方への訪問に際しては、移動だけであってもかなりの時間がかかるため、当然のことだと思います。ここで、重要なことは、お客様に対して通常の訪問と同じサービスが提供できるかが問われるということです。

 「技術士に求められる心構え、真のスキルとは」1つは、高度な、専門技術。2つ目は謙虚さと卓越したコミュニケーション人間力。3つ目は閉塞状況を打破できる、マネージメント力と提案力。とのことです。経験の押し付けや上から目線でない謙虚さが必要であり、信頼関係の構築をしてから真の課題に向けて提案をすること。さらに真のスキルとは課題解決の前に課題設定ができるかということです。

 「技術士に求められる企業への提案」クライアント企業は、部分的な課題解決の依頼から始まる場合が多い。中長期ビジョン、方針から全体最適化を図るといった意識が重要であるとのことです。

 その他に「コンサルタント活動の実例から得られた気づき」などについて話があり、全て尤もな内容でした。しかし、全て改めて意識しなければいけないものであり、有意義に聴講することができました。

 かつて、大学時代にはシステマティックに教育を受け、多くの知識を身に付けてきました。たとえば、微分方程式やフーリエ変換など教科書上でその当時解くことができましたが、それで終わっていました。会社に入り、当初は離散的な仕事を訳も分からず数をこなしていました。ロボット精度向上やプリンターの印刷品質の向上といった技術課題に取り組んでいる中で振動といった共通問題がありました。それを解決する鍵が先のフーリエ変換であることに気が付き、ここで大学のシステマティックな教育と離散と思える会社の業務がつながりました。振動といった視線で離散的だと思っていた仕事を見直すと、そこでもつながるものが見えてきました。同じように、熱の問題、強度の問題などの見方をすると、つながります。つながって見えるようになるために10年ほど要しました。

 技術者として一番大切なことは、誰にも負けないくらいの高度な専門技術とそれに関する豊富な経験が必要だと思います。さらに、一見離散的に見える課題であっても、視点を変えれば同じ課題であることに気付くこと(過去に経験したことにつながること)は多くのクライアントを対象にするコンサルタントにとって大切だと思います。

SHIMAMURA ENGINEERING OFFICE

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