214オープン&クローズ戦略

 第 4 次産業革命のもとデジタルネットワーク技術が急速に進展し、ビックデータ、IoT を活用したイノベーションが新たな価値を生み出している。さらに、技術の実用化や普及のスピードが加速し、製品、サービスが市場に出る前から将来的な市場確保に必要なルールが国際的に形成されるようになっている。このような流れを踏まえ、標準化の価値や企業経営にとってのオープン&クローズ戦略の重要性が高まっているものと捉えている。経済産業省としては領域横断的な標準化に対する取り組みを強化しており、例えば、2019 年には JIS 法を改正し、標準化の対象にデータ、サービスを含めることや官民あげて標準化を推進することを盛り込み、また 2020 年には JISC を改組しスマートシステム専門委員会を新設している。(経済産業省)

https://www.jmfrri.gr.jp/content/files/Open/2020/20200206_INTLSTDForum/Report_r5.pdf より

 上記によると、「標準化の価値や企業経営にとってのオープン&クローズ戦略の重要性が高まっている」とあります。現状のものづくり現場においてもオープン情報が必要となってきています。以下にこれに関連する「ブログ№174企業秘密」の一部を再掲します。

 スマートファクトリーを構築するためには、他社を含めた情報の共有が無ければ成り立ちません。例えば、組立工場で部品を調達するに当り、前工程の部品メーカーの歩留まりが良くなく、価格が下がらない場合があります。部品精度の緩和ができないか、工法を工夫できないかを組立工場、部品メーカーが一緒になって取り組むことが必要となります。コストダウンで儲かった分は双方山分けすればいいと思います。

 その業界の発展のためには、同業他社間での情報開示も必要となってくると思います。少なくとも、SCMの企業の中では情報の開示を進めることは重要です。IoT、AI、スマート工場推進のベースとなります。

 以前、SMTラインの設備のチョコ停をビッグデータで分析したことがあります。収集したデータのほとんどが、どのようなエラーがいつ、どの程度発生したかという情報と、チップ部品、プリント基板の機種やロットに関する情報でした。いわゆる物理量のデータではありませんでした。実装組立系の重要な管理項目として位置決め誤差、位置合わせ誤差があります。誤差の積み重ねが組立不良となります。SMTラインにおいても、プリント基板の誤差、位置決め誤差、チップ部品の誤差、位置合わせ誤差などのデータがあるはずです。

 あとで分かったことですが、SMT設備の中に蓄積されているデータは、ユーザーに開示できるデータと開示できないデータ化(SMTメーカーが使うデータ)の2つがあるということです。先ほどの稼働データは開示データであり、開示できないデータの中に、設備の位置誤差などのデータがあったのではないかと思います。

 この位置誤差のデータが入手できると、さらに踏み込んだ分析できるので、ぜひ入手したいデータの1つです。IOT AI化さらにスマート工場化を進めるに当り、メーカー側のデータ開示が必要だと思います。

SHIMAMURA ENGINEERING OFFICE

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