211日本技術士会
先日、日本技術士会主催の技術士業務開業研修会に参加しました。
技術士とは:「科学技術に関する技術的専門知識と高等の応用能力及び豊富な実務経験を有し、公益を確保するため、高い技術者倫理を備えた優れた技術者」の育成を図るための、国による資格認定制度(文部科学省所管)です。さらに、「技術士」は、「技術士法」により高い技術者倫理を備え、継続的な資質向上に努めることが責務となっています。
「技術士」は、産業経済、社会生活の科学技術に関する、ほぼ全ての分野(21の技術部門)をカバーし、先進的な活動から身近な生活にまで関わっています。
日本技術士会とは:「公益社団法人日本技術士会は、技術士さらには技術者の社会的地位の向上と広く社会への貢献を目的として技術士のCPD(継続研鑚)に関する事務の中心的機関としての役割や官公庁・地方自治体・海外業務関係機関等を主たる対象として組織的に技術士の活用促進を図るほか、技術士法に基づく文部科学大臣の指定試験機関及び指定登録機関として国に代わって技術士試験の実施及び技術士・技術士補の登録等の業務を行っています。」
日本技術士会のホームページより
技術士には企業内技術士と独立技術士の2つのタイプがあります。本研修では既に独立技術士として実績を上げてきた先生方の考え方、歩み方、そして技術業務についての講演を聞きました。
<情報工学部門K先生>情報工学部門は何をやってくれるのか、わかりにくい部門なので、過去の業務経験を説明する必要がある。自身は工場の生産性向上に関する業務経験があり、人が行っている作業で自動化できる箇所へコンピュータを利用して自動化を進めてきた。独立後も食品製造卸会社の仕入れ、製造、出荷のスケジューラを提案し、スケジューリングソフトを提供している。一方で、日中技術交流センターを設立して、中国からの技術支援案件を募集し、日本の技術者へのマッチング支援を業務として取り込んでいる。韓国に対しても同様なマッチング支援を行っている。
<金属部門H先生>金属の疲労破壊の調査依頼においては、金属破壊となった起点を中心にSEMで観察し、起点の中心に鉄と異なる元素があることクライアントへ報告する。(専門分野) 電子顕微鏡などの設備は公的な試験場を活用する。その他セミナーも定期的に行っている。
<農業部門E先生>大手食品会社の勤務時代は、健康食品の開発を手掛けてきた。食品技術の会社を立ち上げる一方で、技術士事務所を開設。ホームページやフェースブックを積極的に活用して、顧客への貢献と自己アピールに努めることが大切である。
<化学部門S先生>中小企業への知財コンサルティングのポイントは、①特許とノウハウの使い分けを指導する。②他社からの侵害/警告には経営者と一体となって対応する。③職務発明規定やNDA契約についても指導する。特許出願の公的助成金取得を支援する。同じく、中小企業向けMOTでは、展示会の利用、公的補助金の獲得などについてもサポートしている。
以上のほか機械、建設部門の先生方からの講演もあり、日本技術士会は多岐の産業界にわたる技術を持った集団であるあること、コンサルティングのみでなく、セミナー、執筆活動、マッチング活動、士業連携など幅広く活動していることがよく理解できたセミナーでした。
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