207 IIoT
IIoT(Industrial Internet of Things)は、日本語で「産業用IoT」、「インダストリアルIoT」などと呼ばれ、「産業機械・装置・システムなどがインターネットを通じてつながることによって実現するサービスやビジネスモデル、またはそれを可能とする技術の総称。製造業の生産効率・安全性の向上、サプライチェーンの最適化などを目的とする(デジタル大辞泉)」と紹介されている。 IIoT Times より
製造業における普遍のテーマであるQCDの改善を進めるために、生産技術部門はものづくりの4M(Man, Machine, Material, Method)のバラツキを徹底的に管理します。自動化が進む中、設備から上がってくる情報の質と量がその管理の需要な鍵となります。
従来マニュアル中心であった組立の現場は、ロボットの導入が急速に進んでいます。ロボットは高速、高精度で24時間稼働できるといった、マニュアル作業ではできないアクチュエータとしての大きな機能があります。併せて、ロボットには組立作業に使う視覚センサー、力覚センサーやロボット自身をコントロールするための、モータ電流の検出センサー、位置、速度を検出するエンコーダーなど、さまざまなセンシング機能が搭載されています。ここでセンシングされた情報(データ)は、人手を介すことなくものづくり全体に活用することができます。4Mを管理する製造部門、品質管理部門はもとより製品の開発設計部門へのフィードフォアード、フィードバックにも活用できると思います。
今後の自動化、IIoTの推進においては、汎用ロボットの活用が大きな鍵になると思います。日本ロボット工業会やRRIなどの業界団体に所属するメーカーであれば、データフォーマットや通信規約など共通の取り決めをしているので、インターネット上でつなげることも、データベース化することも苦でないと思います。
1990年代後半に、ハードディスクドライブの自動組立ラインを開発してフィリピン、タイの工場へ20ラインほど導入した実績があります。自動組立ラインの各工程の基本構成は①組立パレット ②フリーフローコンベア ③パーツ供給 ④組立ロボット ⑤エンドエフェクタ となります。各工程にはコントローラとしてPLCがあり、シーケンス制御やエラー情報の吸い上げを行います。またライン全体のコントールにも1台のPLCを用意しました。このPLCは上位のシステムとつながっていて、各工程のPLCへ組み立てるべき製品情報を伝え、各工程のPLCからの進捗やエラー情報を上位のシステムに伝えます。
厄介なことにこの上位システムは、日本にいる本部長の机上のパソコンとつながっていて、設備がダウンしていると、呼び出されてお叱りを受けます。すぐに、現地に行って原因の究明と対策をします。その間、現地での組立はマニュアルに切り替えます。当時の4M管理は自動化ラインを開発した生産技術者にとってかなり厳しいものでした。
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