064 3Dスキャナー
先日、事務所の本棚の造作をインテリアデザイン会社に依頼しました。当初はニトリ、ホームズの本棚を購入しようと考えていたのですが、どうしても設置場所となる事務所の隙間スペースにフィットするものがありませんでした。少々高くつきますが、事務所内になじんで、使い勝手が良い方が仕事もはかどると思い、造作に決めました。
造作家具の場合、当然のことですが、インテリアデザイン会社は、本棚のスペースとその回りの環境を正確に知る必要があります。その情報、データを基準にして回りの環境も含め本棚を3Dで設計(デザイン)します。いくつかのデザイン案ができると顧客と一緒にディスカッションしながら細部を決定していきます。
本棚の設置スペースはたかだか1㎡程度ですが、事務所内を確認したいとのことで、インテリアデザイン会社の担当者が事務所に来て、隅々までメジャーを使って採寸していきました。当初、採寸にかかる時間は15分ほどであると思っていましたが、結局2時間もかかっていました。高さ、幅、奥行きのほか、床から立ち上げっている巾木、隣接するドアのノブの形状、開閉等々で大変な作業でした。この作業をメジャー1つで済ましてしまうということについても驚きました。デザイン会社では、採寸したデータをもとに、事務所内の環境を3D化した上で本来のデザインに入ります。
以前、ものづくり工房の立ち上げプロジェクトで、60種類ものデジタル加工機を購入したことがあります。その中に3Dスキャナーがありました。2つのカメラで対象物に照射されたレーザー光のポイントの位置を読み取り、距離を計測する仕組みの物でした。対象物はコーヒーカップぐらいの大きさでした。対象物をターンテーブルに乗せて360度回転させながら計測します。計測データはデジタル化され、3D-CAD内に取り込むことができます。工房には3Dデータさえあれば3Dプリンター、CNC工作機で、簡単に3Dの造形や加工ができます。
同じ様に、事務所内の採寸に際して、3Dスキャナーを利用すれば、採寸時間、3D図面の作成時間などは大幅に短縮できます。さらに同じ様に、工場に自動化の設備を導入する時も工場内の最新の環境を計測する必要があります。自動化設備を設置する際には、設置場所の環境だけでなく、作業者の動線なども重要になります。3Dスキャナーによる計測を業務プロセスの中に組み込むことができればベストです。なお、3Dスキャナーにはレーザータイプのほかカメラによる多点計測のタイプ、固定の物、ハンディーの物など様々あります。メーカーから無償で借りて比較検討してみてはいかがでしょうか。
本棚は5/17に取り付けてもらいます。造作料には採寸工数、3D化工数も含まれます。
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