053プロセス系工場と組立系工場

 工場はプロセス系と組立系の2つのタイプに分けることができます。設備集約型と労働集約型と言い換えることができます。プロセス系には、鉄系、非鉄系など、原材料から精製して均一素材を製造する工場や、その資材から単一部品を作る工場があります。さらに、半導体やプリント基板の様に、複数の素材を使い、化学反応、電気的な処理を施してものを作ることもあります。いずれも、専用設備がなければ、ものづくりができない工場です。

 この工場の特徴は、各設備の製造条件を設定して、その条件になるように日々監視し、条件から外れていればチューニングして品質を管理する点です。製造リードタイムは1日から数週間かかります。単一なものを連続で製造するため、一度製造条件を設定すれば、それを維持することで品質は安定します。近年は複数のものづくりのニーズに対応するため、または新規に開発される大量の品種に対応するため、頻繁に条件を変更する必要が出てきています。したがって、いかに早く安定した条件に設定できるかが、課題です。

 ガラスやプラスチックなどの単一製品の場合は下流工程で不良となっても、不良品を原材料として取り扱うことができます。半導体、プリント基板のような複合素材の製品の場合、不良品は産業廃棄物として取り扱わなければならない物もあります。この場合、不良は材料のロス、製造時にかかるエネルギーのロス、さらに廃棄物処理にかかるロスなど、多くの問題を抱えています。

 一方、組立系の工場は、数多くの部品を集めて組み付け、検査を通して最終製品を作る工場です。多くの場合、人手作業となるため品質の安定化は作業者のスキルに頼ることになります。特にパソコンやスマホのように多品種変量生産のラインとなると、自動化の難易度が高くなり、長年、人手作業から脱することができないでいる場合が多いと思います。不良品に関しては、修理や再調整などで対応できる場合が多いため、ほとんどの工場では専用のリペアラインを持っています。材料のロスはないものの、製造にかかるエネルギーのロス、労働力のロスに加え、修理にかかるロスが発生します。

 自動化、IOT化を進めるに当り、上記特徴を考慮し、個々の工場にマッチする施策を立てていくことが重要です。お近くのものづくりコンサルタントへ相談してください。

SHIMAMURA ENGINEERING OFFICE

ものづくりの普遍のテーマに取り組んできた生産技術者の備忘録です。 スマート工場に向けた自動化、IOT、AIの活用について記載しています。 ご相談は下記のシマムラ技術士事務所へ。 It describes Automation and IoT/AI for smart factories. For consultation, please contact the following office.

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