405 IoT AI(製造現場)


 ㈱技術情報協会から書籍「工場・製造プロセスのIoT・AI導入と活用の仕方」が出版されました。その中の「プロセス系工場でのIoT/AIを活用した品質改善への取り組み」について執筆しましたので、数回に分けて解説したいと思います。今回は1回目です。

<抜粋:目次>

第3節 プロセス系工場でのIoT/AIを活用した品質改善への取り組み

1.プロセス系工場と組立系工場

2.当社プロセス系工場をモデルとした取り組み

 2.1 データを活用した品質改善 2.2 現場の現状分析 2.3 データ収集

 2.4 データ統合 2.5 データ分析 2.6 ビッグデータ分析による品質改善との違い

3.異常予兆の検知におけるIoT/AI活用技術の課題

3.1 IoT技術を活用したデータ収集 3.2 AI技術を活用したデータ分析

4.まとめ

<抜粋:はじめに>

 製造現場では、工程内の品質改善を追究するため、従来からデータの活用に取り組んできている。プロセス系工場では、各工程から上がってくる刻々と変わる加工条件のデータを24時間体制で監視したり、組立工場では、供給される部品の品質データをチェックし、後工程への不良品流入を防止したり、様々な取り組みが続けられている。にもかかわらず、いまだに突発的な不良が発生した、製造ラインを停止せざるを得ないケースや、歩留まりの安定化、向上が思った通りに進まないケースなど、従来のデータ活用の取り組みだけでは解決できない問題が見えてきている。

 本節では、新しい品質改善の取り組みとして、IoT、AI技術を取り入れたデータ活用について、その考え方やアプローチについて紹介する。IoT、AI、ビッグデータはデータ活用の単なるツールであり、製造現場では、これらを使って品質改善のサイクルを継続的に回すことが重要であることはご承知の通りである。

<解説>

 IoT/AIを活用して品質改善へ取り組もうとしたきっかけは、プリント基板を製造するある工場からの依頼によるものでした。日々の品質管理はちゃんと行われているにもかかわらず、年に1回程度、突発性の品質問題が発生するとのことでした。原因はわからず、ラインを停止し、工程の液槽をすべて入れ換えるなど、膨大な費用と時間をかけているのでデータを使って何とかしたいとのことでした。そこには明確なニーズがあり、当時所属していた生産技術部門でも、データ活用の取り組みが行われていたので、プロジェクトを作り、課題解決に取り組みました。

<追記>

解説の中にある「日々の品質管理はちゃんと行われているにもかかわらず」といった点に注意が必要です。データを収集して、時系列で眺めてみると全く変化がないデータもあります。これはデータがちゃんと取れていないことを意味します。また、データが下限値ぎりぎりで推移しているものあります。現場では管理値内に入っているので良とします。原因はさまざま考えられます。測定の分解能が低い、機器の故障、人的ミスなどがあると思います。

SHIMAMURA ENGINEERING OFFICE

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