403ロボット(協働)
協働ロボットと安全性について、大阪工業大学 野田哲男氏の「協働・産業用ロボットの導入のポイント」といった記事が技術情報協会出版の書籍に掲載されています。ここでその1部を取り上げ、自らの経験と見解を記載したいと思います。
<記事の抜粋>
止まっているロボットであっても手先に細長い刃物が取り付けられていたら、その取り外し時はもちろん、近接して作業するときも、自分に刺さらないか注意するだろうし、ゴーグル、ヘルメット、手袋など保護具や専用工具の使用と作業順番を定めた作業手順書を作成しそれを遵守しながら作業したくなるはずである。鋭い刃物がロボットについていなくても腕を伸ばしたロボットの下で作業していると、作業が終わって勢いよく立ち上がると大変なことになる。安全な環境を手に入れるためには、様々な危険を予測して、先回りして行動すべきである。ロボットが協働ロボットであったとしても、やるべきことには変化はない。
<経験と見解>
ロボットの運動機能が飛躍的に向上し、AI技術も年々成長している中、人間とロボットが共存する世界も、遠い将来ではないと思います。人間型のロボットはその方向に進んでも、より機械に近いロボットは別の方向へ進んでもらいたいと思います。
産業用ロボットは、より早く、正確に、安く、ものづくりするように進化させる必要があると思います。例えば、SMTの様に、1秒間に数十個の部品を実装し、実装精度は1/100㎜レベルで、24時間年間を通して稼働するといった機械型ロボットが、小さな電子部品から、様々な部品の組立ができるようになるように、研究開発が進むことを願っています。
人と機械は協調してものづくりをする必要があります。この時に留意することは、いかに人と機械を分離して協調させるかといった点です。機械やロボットは金属の固まりです。干渉、接触しただけで怪我をしてしまいます。ロボットの柵は安全の点から最低限必要となります。総出力が80W以下のロボットの場合、安全柵は必要ないといったルールがありますが、人間の急所(目など)にロボットの一部が入ってしまったら、ひとたまりもありません。
どのような協調が考えられるでしょうか。例えば、実施の組立作業はロボットが100%のスピードで行い、ロボットへのワーク、部品のセット、リセットは人が行うとしたらどうでしょうか。セット、リセットの前後では部品のチェック、組立後のワークチェックも人が同時に行うといったのはどうでしょうか。ここで重要なのは、この協調がロボットと人とが安全柵を挟んで、淀むことなくできることです。043多機能組立システムを参照してください。
抜粋記事と同様に、現場においては昔も今も安全第一です。出力が小さなロボットであっても安全柵を外すことは、安全柵を取り付けることより手間と費用が掛かることだと思います。
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