243小さい 白い にわとり
小学校の低学年のころ国語の教科書に「小さい 白い にわとり」といった話が載っていました。今でも印象深く覚えています。あらゆるコミュニティーにありうる共通的な話です。以下が、「小さい 白い にわとり」です。
小さい 白い にわとりが、みんなに むかって いいました。
「この むぎ、だれが まきますか。」
ぶたは「いやだ。」といいました。
ねこも「いやだ。」といいました。
いぬも「いやだ。」と いいました。
小さい 白い にわとりは、ひとりで むぎを まきました。
小さい 白い にわとりが、みんなに むかって いいました。
「この むぎ、だれが かりますか。」
ぶたは「いやだ。」と いいました。
ねこも「いやだ。」と いいました。
いぬも「いやだ。」と いいました。
小さい 白い にわとりは、ひとりで むぎを かりました。
小さい 白い にわとりが、みんなに むかって いいました。
「だれが、こなに ひきますか。」
ぶたは「いやだ。」と いいました。
ねこも「いやだ。」と いいました。
いぬも「いやだ。」と いいました。
小さい 白い にわとりは、ひとりで こなに ひきました。
小さい 白い にわとりが、みんなに むかって いいました。
「だれが、パンを やきますか。」
ぶたは「いやだ。」と いいました。
ねこも「いやだ。」と いいました。
いぬも「いやだ。」と いいました。
小さい 白い にわとりは、ひとりで パンを やきました。
小さい 白い にわとりが、みんなに むかって いいました。
「このパン、だれが たべますか。」
ぶたは「たべる。」と いいました。
ねこも「たべる。」と いいました。
いぬも「たべる。」と いいました。
以前、学童保育所を運営する父母会に所属していました。運営資金は市からの補助金、父母から徴収する保育料のほかに、地域の夏祭りに参加して金魚すくい、焼きそば、綿菓子の露店を出したり、定期的にバザーを催したりして捻出していました。学童の減少に伴い保育料も減少し、運営を支えるためには、いかに新規の学童を獲得するか?いかに外部資金を増やすか?が父母会での大きな課題になっていました。
父母会で出てくる意見で、最も多いのは、地域の実力者、近隣の自治会長、同じく近隣の小学校の校長先生に協力を願うといったものです。実行するに当り、誰がアポイントを取るの?誰が説明するの?誰が説明文を作るの?父母の皆さんはそれぞれ仕事を持っています。誰もやりたくありません。結局、会長が一人でやることになります。でも、地域の実力者が理解を示し、具体的に支援してくれた時は、会長をはじめ、全員が満足でした。
以前、NPO法人の自動化推進協会を運営する理事会に所属していました。運営資金は法人、個人の会員料のほか、自動化基礎講座、工場見学、技術支援などの事業からの収入によるものです。会員の減少に伴い、いかに新規の会員を獲得するか?いかに事業資金を増やすか?いかにコストを削減するか?が理事たちの大きな課題になっていました。
理事会で出てくる意見は、今より魅力的なホームページを作成し、常時情報を発信するとか、講座のアンケートを取りフィードバックするとか、会費を上げてみるとか、いろいろと意見が出てきます。実行するに当り、誰がホームページをアップするの?アンケートは誰が考えて作るの?会費値上げの理屈を考え、案内文を作成し、アナウンスはいつするの?理事の皆さんはそれぞれ仕事を持っています。誰も手を挙げてまでやりたくありません。結局、理事の中の一握りの常任理事たちがやることになります。でも、それで運営が安定すると、常任理事はじめ理事全員が満足でした。
「小さい 白い にわとり」もきっとみんなで、おいしいパンを食べて、白い にわとりも ぶたも ねこも いぬも満足だったのだと思います。
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