074重工業界
重工業メーカのI社が提供している「大型構造物3D計測受託サービス」について添付資料に基づいて考察してみました。
既存の工場へ新規設備を導入する時、工場内の最新の環境を計測する必要があります。設備を設置する際には、設置場所の環境だけでなく、作業者の動線なども重要となります。特に大型のプラントのように、複雑な配管が取り廻されているような環境への設備導入は、搬入だけでも大変だと思います。
I社は3Dレーザースキャナーを活用してプラントや機械などの大型構造物の3D形状を精度よく計測して、デジタルデータを取得するサービスを提供しています。従来の問題点と3D計測の効果についてI社は下記の通り記載しています。
<従来の問題点>
①現場調査…コンベックス等で寸法測定、時間がかかり精度に難点がある
②工事計画…調査結果に基づき3D化 不足寸法があれば再調査が必要となる
③工場での製作…機器・配管・プレハブの製作など 製作範囲の制約がある
④現場据付…現場合わせやトライ&エラーが発生する 工期スケジュールが立てにくい
<3D計測の効果>
①現場調査…高所・危険エリアを含め短時間計測が可能となり調査工数を削減
②工事計画…3Dデータを設計モデルに取り入れることができるため 設計工数削減
③工場での製作…仕上げに近い形の機器・配管・プレハブができる 現場工数を削減
④現場据付…工場での作り込みが十分であるため、現場作業が容易となる
以前、ものづくり工房の立ち上げプロジェクトで、小型3Dレーザースキャナーを導入した経験があります。2つケースで苦労しました。1つはコップのような透明ガラス面に対してレーザー測定ができなかったため、コップ表面にパウダーを振りかけて測定したことがあります。2つ目は薄い材質の物に関しては、3Dデータが欠損することがあるといった点です。いずれにしても、現場で採ってきた生データはかなり修正、補正が必要であるということです。特にデータの欠損に関しては実物を確認する必要があります。
3Dレーザースキャナーは様々な分野へ展開されるのは確かだと思います。そうそうに導入し、使いこなせるようになっておくことは、今後の自動化、IoT/AIを進めるに当り決して損ではないと思います。
参考資料
https://www.iscube.co.jp/contents/solution/3d/3d-L.html
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