067ゲートウェイとAMR

 IoTを使って生産性を向上したいとか、品質改善をしたいといったニーズが広まってきています。自動化設備や製造工程の状態をセンシングした情報を一元的に集約する場合、最初にぶつかる問題の一つとして、データ形式、フォーマット形式があります。

 もともと、設備はそれぞれの主目的のため(位置決めのため、搬送のため、一定温度に保つためなど)に存在しているのであって、そこから生成されるデータはどのように使うものかを明確に示していません。ましてや標準化された統一のフォーマットに則って生成されているものは、ほとんどないと思います。

 そこで各設備から生成されるデータを統一する、ゲートウェイといったソフトウェアが市販で提供されています。一般的には、各設備から生成されたデータは、このゲートウェイを通ってデータベースに格納されます。そのデータを使って各種の分析、解析を行います。しかし、この市販のゲートウェイは限られたメーカーの設備でないと、データを変換して統一フォーマット化できません。現状製造ラインで稼働している旧式の設備の場合には、設備ごとにゲートウェイを作る必要があります。工場の情報システムの部門で対応できる場合は問題ないと思います。

 №062のレトロフィット技術の中で紹介したAMR(アナログメーターレコグナイザー)を使うといった考え方もあると思います。AMRは旧式設備のアナログメーターをカメラで撮影し、デジタルデータ化して統一データ形式で出力します。それがどのメーカーの円形針メーターであっても、7セグ表示器であっても、フロートメーターであっても同じ形式で出力されます。言い換えれば、設備メーカーや、設備の新旧に依存することなく必要なデータを収集すれば、統一データ形式でデータベースに格納できることになります。ゲートウェイの機能は必要なくなります。

 AMRはカメラでメーターを撮影しなければいけないので、工場の環境(照明の変化や振動などによるノイズ成分)に対して工夫する必要があるなどの課題はありますが、合理的なデータ収集であることには間違いないと思います。

SHIMAMURA ENGINEERING OFFICE

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