019おもり貼り付けUV接着
既に、ハードディスクドライブの組立において、円板状の媒体を回転させ、アンバランスを測定し、カウンターウェイトを貼り付けて修正する工程があったことを010で書きました。
媒体が組み込まれたワークが前工程から流れてくると、自動的に測定ステージにセットされて、既定の1/2のスピードで回転させます。この数秒間でアンバランス量と位置を計測します。次にオペレータが計測された通りに、媒体を固定しているハブに貼り付けます。カウンターウェイトは片面に両面テープが施されており、仮固定されます。次にカウンターウェイトとハブの境にUV接着を塗布し次のUV照射工程へ搬送されます。この工程では自動的に規定時間UVを照射して接着剤を固め、次の工程で規定の回転スピードで再度バランスを計測して、OK/NGを自動判断します。
運用に入って数日後、固定されているはずのカウンターウェイトが外れてしまうといった障害が発生しました。原因はUV照射ランプとカウンタバランスの位置がわずかにずれていたことにありました。十分な照射がされず接着剤が固まりきれなかったと思います。障害が発生する前までは、規定の回転スピードでも偶然外れなかっただけの様でした。
ユーザー先では、長時間使用するため、同じくカウンターウェイトが外れてしまう可能性があったので、それまでに同じ工法で作ったハードディスクを全部回収しました。幸い顧客先へ提供する前の製造工程内の回収で済みましたが、かなりの損害になったと思います。以降、UV照射工程の後にオペレータが接着剤の固まり具合を、爪楊枝でつついて確認するようになりました。自動にすることで、作業者が増えてしまいました。
いかに精度よく計測し、修正するかといった技術開発の前に、いかに高い信頼性でカウンターウェイトを固定するかといった技術開発が求められていたのです。1年後には、カウンターウェイトをUV接着剤で固定する方式から、C型リンクのウェイトをパッチン止めする方式に変更されました。
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