433自動化ライン(設計)

 過去にハードディスク、パソコン、携帯電話、半導体を対象とした自動組立のメインライン、サブラインの開発を手掛けてきました。その中で、共通的に使用できる製造ラインの考え方、設計についてまとめると、次の様になります。

<ライン仕様設計手順>

・事前準備…要求仕様からQC工程図を作成します。生産計画からライン数及びライン構成を検討し、1ライン当たりの目標製造能力を設定します。

・流し方の検討…工場内の物、情報の流れに基づき、流し方を検討します。直線ライン、U字ラインといったラインの形態を考えます。部品の供給は各工程に供給するのか、必要な部品をキッティングして、先頭工程から流すのかを考えます。製造進捗情報、設備稼働情報、品質情報など、必要な情報は何かを考えます。

・概略ライン設計…QC工程図に沿って作業者/設備の配置を考慮しながら、ラインレイアウトを検討します。マニュアル工程、半自動工程、全自動工程にするかを検討します。

・工程別バジェット(見積)の検討…サイクルタイム、コスト、信頼性などを工程別に見積して、ラインデザインシートを完成させます。

・ベンチマーク・判定…複数のライン案の比較検討をします。優先順位をつけておきます。

・仕様化…「ラインレイアウト」と「ラインデザインシート」を仕様書とします。

<ラインレイアウト>

・ポンチ絵を描く…ワークは左から右へ流れるように描きます。合流・分岐は避けます。

・ポンチ絵の要素…ワーク、部品、作業者、設備のみで、物の流れを矢印で記載します。

・マニュアル工程…作業スペースの前後にバッファを設けます(作業ミス遅れの挽回)

・マニュアル・自動混在…マニュアル工程の改善を妨げないように、自動工程はラインの先頭または終端部に寄せるように検討します。

<ラインデザインシート>

・横軸…ライン先頭工程から終端工程までを記載し、最後に全ライン概算を記載します。

・縦軸…サイクルタイム、コスト、信頼性、エネルギー、安全性、環境等を記載します。

 以上をA3用紙1枚にまとめます。概略なので自分の思いを書き上げます。変更は随時行っていきます。最初の時点では、柔軟性のある仕様になっていることが重要です。2時間程度の作業量でできるレベルです。ワークショップ形式で多くのライン案を作成し、最も良い案を選択することができれば、ベストだと思います。

SHIMAMURA ENGINEERING OFFICE

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