387工場のIOT(ニーズと課題)
過去のブログからIOT導入のニーズ、課題について列挙してみました。
・工場の経営者の多くはIOT AIを使って生産性の向上や品質改善の取り組みをしたいと考えています。その将来性、重要性を認識しています。しかし、その有効性を数字で表すことができないでいます。そのため、大規模投資に踏み切れません。現在工場にある設備・データを有効に使い取り組みをしたいと考えています。
・プロセス系工場の特徴は、設備を主体とした製造となるため24時間稼働が通常です。稼働している設備を極力停止することなく、IOT AIを導入したいと考えています。
・IOTで収集されたデータを使って、AI分析をして、設備故障の予兆検出や製品の品質予測をしたいと考えていますが、予兆精度、予測精度が高くないと運用に持っていけないため、当面の課題は、いかに品質の高いデータを収集するかだと思います。
今まで何回かAMR(Analog Meter Recognizer)について紹介してきました。工場内には何百何千に上るアナログメーターが存在し毎日毎時、作業者がそれを読み取り、そのデータに基づいて設備のチューニング、材料・薬品の投入が行われます。すなわち、品質管理に必要な物理情報をセンシングした結果がアナログメーターに表示されています。AMRはこのメーターを読み取りデジタルデータに変換し、統一データ形式で出力します。どこのメーカーのどの種類のメーターであっても同様に取り扱うことができることも、重要な特徴の1つです。
AMRはアプリケーションソフトウェアですが、ハードウェアとして市販のスマホを使います。スマホにはカメラ、照明、ディスプレイ、メモリ、通信などの機能が搭載されていて、IOTと相性が良いツールです。スマホにAMRのアプリケーションソフトウェアをインストールします。スマホはアナログメーターを読み取る位置に設置されます。起動をかけると、1分毎にメーターを撮像してデジタルデータに変換します。データはスマホ内のメモリに格納することもできますが、LAN、Wi-fiを使って品質管理を行うセンターのサーバーに格納することもできます。
数百数千のアナログメーターすべてにAMRを取り付けることはコスト面、作業環境への適合性の面などで無理だと思います。重要なのは事前に、目的にあわせて、どのデータが必要であるかを選定しておくことです。
以上、AMRを使うことで旧設備の多いプロセス系工場において、設備を停めることなく、メーターのメーカーや種類に依存することなく、ゲートウェイを用いることなくシステム化することができると思います。ただ、AMRはカメラで撮像しなければならないので、工場の環境(照明の変化や振動などによるノイズ成分に対して工夫する必要があります。
参考資料
https://www.fujitsu.com/jp/group/kyushu/imagesgig5/amr-edge-v1.pdf
https://www.fujitsu.com/jp/group/kyushu/imagesgig5/introduction-amr-edge-v1.pdf
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